我が家のあきらくんも、そろそろ生後6か月。だいぶ動きも活発になってきました。
いわゆるハーフ・バースデイというやつですね。
でもあんまり細かく区切ってお祝いしすぎると、なんだか「今日は付き合ってから1か月記念日だね!」的なカップルに近い感じがするので(笑)、うちは普段通り過ごそうかなと思っています。
さて、子どもの体力や運動能力が落ちてきている、という声はニュースやネット記事でよく見かけますが、実は文部科学省が行った調査『子どもの体力の現場と将来への影響』でも運動能力や体力の低下がはっきりと指摘されています。興味のある方はリンク先の内容を読んでみてください。グラフも多くわかりやすくまとまっていますよ。
内容をまとめると・・・
「体力の高い子どもと低い子どもが二極化している」
「身体を思うとおりに動かす能力が低下してきている」
というようなことが実際のデータとともにまとめられています。
子どもを公園に連れていったときに周りの子を観察していても、確かに楽しそうに走り回ったり遊具で遊んで汗をかいている子もいれば、ベンチに座り込んでひたすらゲームしている子もいて、実際の感覚として二極化している、っていうのはわかる気がします。
そしてもう一点の、「身体を思うとおりに動かす能力」となると、これはもう単純に体力がある・ないという話ではなく、脳からの命令をもとに身体の動きを調整していく能力のことを指しますので、いわゆる神経系の発達の問題になってきます。
神経系の発達を促すには
神経系の発達というと、なにか難しそうな印象をもって身構えてしまう方が多いかもしれません。
生まれてから4−5歳までの間にものすごい勢いで人間の脳は発達していきます。ニューロン同士をつなぐシナプスという回路がどんどん張り巡らされていき、高度な情報を処理できるようになっていくんです。
この辺の話に興味のある方は、ぜひこちらの講座にお越しください。
特に赤ちゃんが生まれてから成長していく過程で神経系がどのように発達していくのか、わかりやすく理解してもらえると思います。
また、そうした発達をスムーズに進めていくためにどんな遊びや運動が重要なのか、というところまで突っ込んでお話ししています。
ご好評のため6月、7月ともに満席、8−9月も埋まってきており若干空きがあるくらいの状況ですのでお申し込みはお早めに。
この講座でもよくお話ししていることなんですが、神経系の発達を促すうえで私が重要だと考えているのが、「どんな遊びを、どんな設定(難易度)で行うのか」ということです。
発達心理学の世界で「最近接領域」という用語があります。
これは「子どもが新しいことにチャレンジする際に、自分一人の力だけでそれを達成できるときと、大人がほんのちょっと手助けをしてあげることで達成することができることとの差」とを指した言葉です。ちょっとややこしい表現ですが(笑)。
要は、大人が手伝ってあげると達成できるギリギリちょっと難しめの課題、ということです。
こうした微妙に難しい課題にたくさんチャレンジさせてクリアしていく、という体験を繰り返すことが、神経系の発達を促すと言われています。
この考え方は、実は心理学だけでなく医療・介護・リハビリ・保育など幅広い分野で用いられています。
例えば、バランスをとりながら渡る平均台という遊具がよく公園などにありますよね。
子どもがまだ一人でそこを渡ることはできず、バランスを崩して落ちてしまうとしましょう。
子どもの能力を伸ばす一番よい難易度の課題は次のうちどれでしょうか?
A:後ろからママがしっかり身体を支えて、一度もバランスを崩さずに渡り切る
B:何度落ちても、とにかく一人で繰り返しチャレンジさせる
C:片手だけママが手をつないであげて、ふらつきはあるけどギリギリ落ちない状態でなんとか渡り切る
ここまで読まれた方はもうお分かりだと思いますが、正解はCです。
Aのように課題が簡単すぎると、バランスが崩れそうになってそこから立て直す、という経験ができませんので、前庭感覚や深部感覚をもとに姿勢をコントロールする、というように神経系を刺激する効果はあまり大きくないと思われます。
かといって、Bのように難しすぎると今度は失敗ばかりでやる気がなくなったり、恐怖感が出てきてしまいます。
少し手を添えたり、一部を手伝ってあげればなんとかできるかな? という課題にチャレンジして、それをクリアできた!という成功体験の積み重ねが、一番人間の潜在能力を伸ばしてくれるんですね。
ということで、毎日暑いですが、ママパパもスマホばかりいじってないで(笑)、たまには子どもと汗まみれになって遊んでみましょう!
ちなみに、親子での運動遊びについて感心のある方はこういった講座もやっていますので、ぜひ遊びにきてくださいね。