このタイトルでピンと来る方はどれくらいいるのでしょう?
「ワイルド・サイドを歩け」とはRou Leedの「Walk on the Wild Side」の邦題です。昔は洋楽ってこのように必ず邦題がついてたんですよね。「素顔のままで」とか「胸いっぱいの愛を」とか。
ちなみにこの「ワイルド・サイドを歩け」は気だるいボーカルが心地よい名曲です。Rou Leedがテーマでもブログは1本書けそうなんですが(笑)、これから懐かしの70年代ロックについて語るわけではありません。
皆さんは自分の子どもに、歩かせていますか?ワイルド・サイド。
子どもにとってのワイルド・サイドとは
ワイルド・サイドとは直訳すると「荒れた道」のことです。都会に住んでいると荒れた道なんてほとんどありませんが、子どもたちは一緒に散歩していると、金網によじ登ろうとしたり、境界ブロックの上に乗ってみたり・・・自主的になんだかふらふらしそうなところを歩き始めます。
これが子どもにとっての「ワイルド・サイド」なんです。
親は心配して「ちゃんと歩道の真ん中を歩きなさい」というわけですが、それでもちょっと目を離すと白線の上だけ歩くゲームを勝手に始めていたりします。
当然ですが我が子はもちろんのこと、車や自転車や他の歩行者に危険があってはいけませんから、そうした環境では遊ばないようにしつけは必要です。
でも公園や原っぱなど、子どもが安心して走り回れる環境では、むしろ「ワイルド・サイド」を設定して遊ばせてあげることが実は子どもの運動機能の発達を促すうえですごく重要なことなんです。
ちょっと手伝ってあげるとできること
このブログで述べている「ワイルド・サイド」と似たような考え方が、リハビリテーションの世界でよく用いられる「最近接領域」という概念です。詳しくはこちらを。https://ctejapan.com/message/m03.html
これは「問題解決において、援助なしで子どもが達成できることと、大人の援助があれば達成できることとの差」と定義されています。
医療だけでなく介護や保育の分野でもよく用いられる用語なんですが、これだけではなんだか難しいですね。
すごく単純化して言うと、「大人がちょっと手伝ってあげると達成できるギリギリ難しめの課題」ということです。
例えばもうすぐ2歳になる私の娘の場合、
つかまるところがないとまだ一人では高さ15cmの段差を降りることができません。
でも大人が片手を添えてあげると、まだ足が短いのでふらついていますが・・・なんとか降りることができます。
今の娘にとっては、10cmの段だとどこにもつかまらず一人で降りられるので難易度は低すぎ、20cmの段だと四つ這いにならないと無理なので今度は難易度高すぎ。
「段差を降りる」という動作について考えてみると「15cmの段差で軽く大人が片手を添えてあげる」という条件が彼女が達成できるちょうどギリギリの課題です。
このように、普段の生活や遊びの中で、「ちょっと手伝ってもらうとできる」課題をクリアして、成功体験を積み重ねていくことが、子どもの運動能力の発達を促すうえでとても重要なんです。
人それぞれのワイルド・サイド
ここで気をつけておかないといけないのは、「ワイルド・サイド」のレベルは人それぞれということです。子どもでいうと年齢だけでなくその日の体調、気候などの影響ももちろんあります。
そこで、子どもの状態を一番理解している親が子どもの遊びの中に入って「少し」サポートしてあげることが重要になってきます。
どの辺が「ちょっと難しめの課題」なのか親がしっかり理解したうえで、「ちょっとこの遊具やってみようか?昇り降りだけ手つなごうね」「あの鉄棒ぶら下がれる?ちょっと手伝ってあげるから」など声かけをしてあげられると理想的です。
いかがでしたか。お父さん、公園に子供を連れて来たからって、安心してスマホばっかり見てたらダメですよ!一緒にワイルド・サイドを歩き回りましょう。